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Prop後流考 [F3A]

ここ数年、機体の調整や飛ばし方の工夫(練習)をしていく中で、パワ-の掛け(抜き)方次第で挙動が変わっていくことが凄く気になっていました。先輩諸氏からはよくパワー入れて!!抜きすぎないように!!と言われ練習を重ねるうちに、機体が落ち着く様なスロットルワークを心掛けるようになりましたが、そのバランスにだいぶ悩みました。ようやくその境目が理解できて来て、等速感のあるフライトが見えるようになってきました。またFanta70で主尾翼を変えて調整をしていく中で、3ブレードpropにおいてパワーオン/オフでの挙動差が強く出たのも印象的でした。

よく機体の癖について説明するとき、プロペラ後流の影響というのが取り上げられ、胴体の周りに捻じれながら風が流れている図を見ます。これまで私はプロペラ後流は常にこのようになっているものだと思い込んでいましたが、いやそうではないんじゃないか?と今は考えています。

ヒントになったのは、角倉さんのBlog記事にあった「ペラのピッチと回転数を掛けた計算上の速度よりも実際の機速のほうが速い」という内容でした。つまりペラのピッチはネジのように1回転あたりに進む距離を表すものであるが速度とイコールではない。ペラは主翼と同じように揚力を発生し、それが機体の前進力となるのです。

プロペラが起こすのは、常に機速より速い流れ、つまり扇風機の起こしたような素直な風が胴体に沿って流れているのではなく、機速よりも遅い流れ(乱流)も発生しているものと考えます。プロペラ機は、ジェットエンジンのように高速で空気を噴射する反動で進むのではありません。機速とプロペラの回転数つまり推力とのバランス次第で後流(乱流)に強く影響を受けたり、反対に機体自体の空力特性が勝ったりするので、挙動が変わるわけです。

エンジン仕様の練習機を電動仕様にして飛ばしたり、他の同様な機体の飛びを見て感じたのは、電動仕様機の方が明らかに機体が揺れ、落ち着きが無いということです。一般的な仕様の電動機はエンジン機に比べて大径のペラを使っているので、この辺にヒントがありそうです。私の実例をあげると、セレステ(高翼機)を電動仕様にして5セルで12X10のペラを9000RPM程で飛ばしましたが、とにかく宙返りが儘ならない。特にパワーを掛けるほどに思わぬ方向へ機体が行ってしまい、全然円にならないのです。逆にハーフスロットル以下で上昇するぎりぎり位のパワーで宙返りをすると素直に円が描けます。結局この機体は12X6のペラでパワー8掛けになるようにして飛ばすと、実に素直に飛ぶことがわかりました。なんでもパワーで押しちゃえばイイってもんじゃないわけで、元はエンジン機の25~32クラスの設計でペラ径9~10インチを想定していますから、そこに12インチでは機体に対するプロペラ後流の影響が大き過ぎました。2inch(5cm)以上もの違いがありますから、このペラが機体に与える影響の範囲は相当に大きなものになります。機体自体の性能をスポイルする範囲が大幅に増えるので、機体の自律安定が低下したように感じるのでしょう。

さて、プロペラ後流(乱流)が機体の安定に大きく関わっていることは、体験上分かりました。ならば機体を安定させるにはどうすれば良いのでしょうか?
①ペラを小さくする
②尾翼を大きくする
③胴体を大きくする
④胴体からプロペラを無くす
①は必然的に推力低下を回転数またはブレードの枚数増で稼ぐことになるため、騒音の問題が出ます。実機では騒音対策をした多ブレード機がありますので、これも研究対象ですね
②と③は風見との兼ね合いが生じますが、無難といえば無難な方法です
④は①と絡めて多発化が考えられますね
あちら立てれば、こちら立たず。
バランスが難しい問題です。

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