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リポバッテリーについて(5) [ラジコン]

(3)の記事で放電時の最低電圧を3.7Vにしていると書きました。飛行中は3.4Vとか、あるいはもっと下がってんじゃないの? 3.7Vじゃ不十分じゃない? という疑問もあるかもしれません。


3.7Vっていうと、リポの残量の目安としては約20%強てところだと思います。実際にフライトしての残量は20~30%ですから丁度良いところです。さらに放電すればリポが痛むだけで、しかもこれ以下の領域ではセル個々の性能差が大きく出過ぎてしまいますので、そこまで神経質に測ってしまうと、どの電池も使えなくなってしまいます。これではあまりに実用的ではありませんので、少々の個体差は許容して、使用する際に個体差を十分認識したうえで上手く使う、という風に考えています。市場にあるリポを全部買い占めて性能評価し直して良いものだけを使う・・・なんて不可能ですからね。「電池容量の70%程度の範囲でセルの性能差が極力少ないものを選ぶ」という考え方です。


電池の中身は見た目では全然わかりません。高価な電池を買ってしまってから、セル間のバラつきが多いとがっかりしますが、でもすぐ捨てるわけにもいきませんので、何とかソコソコ元は取れるよう使っていかなければなりません。そのために電池の特性を知り、性能の近い電池を組み合わせて使います。実際に使ってみると初期段階ではバラつきのある電池と無い電池で飛ばしてみてもまず違いは判りません。ただ、半年~1年と使ってくると温度、残量に違いが出てきます。残量に差が出るということは当然フライト後半での出力にも違いが現れます。
ところで、リポは生モノとよく言いますね。籠に腐ったリンゴを入れると他のリンゴも早く痛むという諺もありますが、リポは弱いセルが更に早く痛むし他のセルも短命になります。F3Aでは電池にかかわらず一定の出力を求めるため、性能の良い電池でも悪い電池でも消費電力量に違いはありません。ということは求められる出力に対して余裕のある電池に対し、弱いセルの混じった電池は個々のセルの負担が大きくなり余裕がなくなります。神輿を担ぐとき一人がサボると他の人の負担が増すのと一緒です。結果、個々のセルは疲弊し寿命が短くなります。

F3Aは5Sの電池を2個直列にして使用しますので、その2個の組み合わせがポイントになります。先の記事で書いた通り、似通った特性の電池を組むことによって、神輿をみんなで一緒に担ぐようにします。セルバランスの最も整ったもの同士の組合せをSとして、次の組み合わせをA、その次をB、さらに次をC、という具合にランキングしていきます。通常のフライトでは特に使用頻度に違いはつけていません。順番に全部均等に使っていきます。ただ、大会の時には安定性の高いSを使います。

大会用にとっておきの電池を使う。これは心理的に頷けます。
が、大会用にパワーのあるバッテリーを使うのが良いかというと、それは違います。出だしのパワーがあっても終盤ヘタレでは何にもなりません。演技を通して安定したパワーが出ていなくてはなりません。

セル間のバラつきがなく、残量の多い電池は他のに比べて内部抵抗が少ないため、中速域でのパワーがあります。こういう電池は細かいスロットルの出し入れ量が少なくて済むため、結果的に機体のすわりがよくなり、等速感も出ます。また大会ではどうしても緊張してスロットルコントロールが普段よりも鈍くなります。私の場合ですと、開け気味になってしまいます。そうすると全体の速度が上がり、忙しなくなりますし舵も荒くなってしまいますし、距離も遠目になってしまいます。

大会の時だけ特別な電池を使うのは良いことではありません。普段使っている電池で普段どおりに飛ばすのが一番です。ただでさえ緊張して普段通りに飛ばせないのですから、せめてパワーユニットだけは使い慣れた調子のものが良いのです。

《追記》もちろん使っていくうちに電池は消耗しますので、年一回位のタイミングで買い足していきます。その時、必ず購入年月を電池に書き込んでおきます。買い足した中でのランキングと使用中のものとを区別して使用後の残量チェックをしておくことが必要ですね。それらをひっくるめて安定度が高く残量の多い電池を大会に使います。


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