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調整の面白さ [Serena-Lt-Sea]

水上機として飛ばしたのはまだ2回目なので、これからいっぱい楽しめそうです
飛行機って、作ってメカ積んで飛ばして完成〜わーいヽ(´▽`)/ じゃ無いんですよね。ここからが本番!!

飛行機メーカーさんって、きっと数多くのテストをして改良に改良を重ねて、コレダ!ってなって初めて製品として売り出す。皆んなそう思ってんじゃ無いでしょうか?確かに飛行テストをして確認はするでしょうが、どっちかっていうと図面と現物の組合せに齟齬がないか、工程の手順に問題はないか、組んでみるまでが大変なわけで、出来たものの性能とかは、ほぼほぼ想定内でOKだと思うんです。いろんな考えを持った、いろんなレベルの人が組むわけなので(ARFでも)、大きく外さない範囲での設定を説明書では指示している様に、そこまで詰めても仕方ないっていうところもあるでしょう。飛行機って図面を見れば、どういう飛びをしてどういう癖が出るのかって大体分かります。実績のあるメーカーさんは経験則からそのデータを豊富に持ってるわけで、例え実際に飛ばしてみなくても、どんな感じの飛行機に仕上がるかは設計の段階で分かる訳です。飛行機の開発に時間とお金を注ぎ込んでも、昨今の低価格化では全く割りに合わないのでなるべく手間は掛けたくないでしょう。しかし、形だけ真似した機体と、経験則から得られた熟成されたデータを元にした機体では、まったくもって似て非なるものが出来上がります。そこがその飛行機メーカーに対する信頼度に繋がるのですね。あれ?話が逸れてしまった(^^ゞ

さて話を戻してセレナLt-seaですが、尾翼周りを自分の好きなように作り変えてしまったので、もちろんオリジナルのセレナLtとは飛行性能も変わります。ただ主翼と水平尾翼の位置関係、面積は同一なので飛びっぷりに違いはありません。この機体の特徴は舵角が少なくとも舵がよく効き、しかしニュートラル付近の敏感さはないというところで、小型機にありがちな神経質さがなく素直で穏やかなところです。ですから一般的に言われている様にエキスポネンシャルを大きく設定してしまうと、かえって舵のリニアさが無くなり段付きのある飛ばしにくい機体になってしまいます。ちなみに私の機体では、重心位置をメインギア取付部の前方5mmに設定し、標準で付いてくるフタバサーボホーンの小さい丸型の一番外の穴で、エレベーターホーンも一番外。これでデュアルレートアップ側が75%、ダウン側が115%、エキスポはどちらも-10%です。ダウン量がかなり多いのは半対象の翼型とフロートをぶら下げてるからです
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セレナLtは比較的薄翼ですしフルエルロンになっていますので、これを翼型のキャンバーコントロールに使えるんじゃね??と思って只今テスト中です。重くて抵抗のあるフロートをぶら下げてるので、どうしてもロールに癖が出ますが、少しでも綺麗に回るように見せようと何種類かミキシングを掛けてテストしています。段々といい感じになってきましたよ~。
ここでキャンバーコントロールについてちょっと書き留めます。主翼平面形は後縁が左右一直線になっていますから後退角がついた形になっています。この状態で左右のエルロンを同時に跳ね上げると機首は上がり、下げると機首が下がります。いわゆるフラップと混同しやすいのですが、使用する速度域が違いますのでその効果が違います。フラップは高揚力発生装置であると同時に抗力発生源です。低速度下では大きな抗力と引き換えに上向きの揚力を発生します。揚力が増加すると機首上げモーメントが発生しますので、ピッチバランスを取るためエレベーターダウンミキシングで調整します。一方高速度飛行下ではエルロン下げは、みかけ上の主翼迎角が減少しますので機首下げのモーメントが発生します。そのためエレベーターアップミキシングでの調整が必要になります。この機首下げ(上げ)モーメント量はエルロンの下げ(上げ)角と飛行速度で変わります。このエルロンの角度によって翼型による空力特性の変化をもたらすことが可能となります。もちろん本来の翼型性能を発揮させるのであればニュートラルが良いわけで、その状態で各部の調整をしていくわけですが、ここでは水上機ならではの欠点を補うべく活用することにしました。つまり、この機体のダウン側への舵の効きの鈍さをキャンバー変化により補うものです。飛行機のピッチコントロールは基本的にはエレベーターの揚力発生により行うのですが、水上機のようにフロートを持った動的バランスの良くない機体の場合は、エレベーター操作による揚力だけでは十分な運動性能が発揮できない場合があります。そこを最も揚力の稼げる主翼のキャンバーを変えることで補完しようとしたわけです。
実はこれと似た事例として、先にスカイリーフクラシックにコントラシステムを搭載したスペシャルバージョンでの実験があります。雑誌でも紹介されていましたが高翼機でかつフラットボトム翼型を持つスカイリーフクラシックのダウン舵の効きの悪さを補うため、カナライザーを胴体下につけ、角度を動かすことで尾翼への空気の流れを積極的に変えることにより、舵の効きを目覚ましく改善することができました。その応用をセレナLt-seaでもやろうと思ったわけです。ただし普通のF3A機でこれをやるとロール軸が通らなくなります。この辺が純粋に曲技性能を求めた機体と、そうじゃない機体の違いです。あくまでも裏技的な使い方の実験ですね。まだ2フライトで様子見程度ですがキャンバーコントロール有りと無しをスイッチ切替でロールしてみると、有りの方が機体の振り回される感じが減少しているようです。ここはエルロンディファレンシャルとの兼ね合いもあるので、さらに飛ばし込んで見極めないといけないですね
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今回の機体改造のウリはラダーです。セレナシリーズはエレベーター一体型を採用し、その関係からラダーが胴体上部についている形状に特徴があります。このため作り易くリンケージし易いのですが、一方でストールターンがやり難いのです。もちろんできないことはないのですが、スポーツマン級の演技をするにはここが鬼門となりコツが要ります。コツというかごまかし方なんですけどね。それを改善する方法としてエレベーターを左右分離にして、ラダーを胴体上下幅まで高さ一杯使う様に改造しました。その結果Lt-seaでは純粋なスタント機にも負けないストールターン性能を得ることができました。私の動画を見ていただければ一目瞭然。8点以上出ますね。あ、よく見たら止まる前に左に滑ってるからダメだなコリャ(笑)

さて、空力でひとしきり遊ぶことができますが、水上機ならではフロートの調整でも更に楽しめます。水上タキシングでは全く問題なく良くラダーが効きますし、プレーニングにもスムーズに移行するんですが、何故かプレーニング中に進行方向左手に曲がりたがります。フロート取付が狂ってるのかと思い、計測しなおしましたが、特段角度が左右で違っていたり、曲がっているなんてことはありませんでした。ここからは推察ですが、実は前回飛ばしたときはこれほど左に引っ張られるようには感じていませんでした。その違いは何なんだろうと考えたとき、前回はAPCの12x10の2ブレードで今回は13x8の3BW。重くて、でかくて、回転抵抗の大きいペラにより反トルクの影響が強くなって、左フロートへの荷重が大きく、沈み込みが増えた結果、抵抗が増して左へ取られるんじゃないかなと。たまたま今回は静水面であったことも影響が大きく出た要因かもしれませんが、いずれにせよ、また条件の良い時に滑走面の修正をしながら確認していきたいと思います

ていうことで1機で空も水も、更には雪もと3倍楽しめるセレナLt-sea。コンパクトで持ち運びしやすく機体を組んだまま部屋から飛行場所まで持ち込め、しかも静かで環境にやさしい電動機。最高ですな(^_-)-☆

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