HGK 21キャブの謎設計 [Tokyo Echo]
HGK 21は始動性良く、よく回ります。ピストン、スリーブがアルミのくせにテーパー加工がされておらず、トルクが抜けると言う特徴?はあるにせよ、その構造から非常にクールなエンジンでして、他のエンジンに比べてヘッドの温度がかなり低くなってます。と言うことは高回転で使うことに意味があるってことですね。逆に高負荷下ではトルクが薄く使い難いとも言えます
それはともかく、エンジンの素性は良いのですが、問題は付属のキャブなのです。先般書いたように、取付部のエア漏れからくるスロー燃調不良の他、もう一点原因が分かりました
上の画像を見て違いが分かりますか?
そうです、スロットルドラムが左右にガタがあります。ここにガタがあると言うことは、つまりスローから中速にかけての燃調がガタの具合によって変わっちゃうんですよー
このキャブのスロー絞りはまゆ型の穴が開いたスプレーバーの外にスクリュー状に隙間の開いたパイプが嵌っていて、それがスロットルドラムの回転と共に噴出口が移動することによって、燃調が変化するようになってます。なので、そもそもこのパイプが嵌っているスロットルドラムが左右に動いたのでは、燃調自体が変わってしまいます。同様の方式を採用していたOSでは、ガタが出ないようにスプリングで一方向にドラムを押しつけていますし、他のメーカーでもドラムが飛び出ないようにプレートで押さえてたりします。それがこれではスロットルドラムを押さえているのはドラム固定ネジのみで、しかもネジがドラムの溝に対してかなり細いのです
と言うことで、不調の原因はわかりましたが、だからといってどうすることも出来ません。今、なんとか一定の燃調を保っているのは、リンケージでドラムの引っ張り方向にテンションを掛けて勝手にガタ方向に動かないようにしているからです。多分、このエンジンを使われた方は、みんなこの問題で悩んだんだろうなぁ〜(笑)